活動報告ACTIVITY

第1回定例会開催報告

会議報告
日時 2020年 6月23 日(火) 10:30-12:00
実施 オンライン(Webex)
参加 61 名

プログラム

10:30~10:45 「2019 年度事業報告並びに 2020 年度事業計画」
産業技術総合研究所 人間情報インタラクション研究部門
研究部門長 佐藤洋氏
10:45~11:00 「サービス VR システム紹介」東京大学 名誉教授 廣瀬通孝氏 1
11:00~11:15 「サービス品質を評価産業技術総合研究所 する AI 技術の実現を目指して」 産業技術総合研究所 人工知能研究センター
知的メディア処理研究チーム 研究チーム長 緒方淳氏
11:15~11:30 「業務訓練・支援システム開発のためのガイドライン案について」 産業技術総合研究所 人間情報インタラクション研究部門
行動情報デザイン研究グループ 上級主任研究員 氏家弘裕氏
11:30~12:00 質疑応答

◆「2019 年度事業報告並びに 2020 年度事業計画」産業技術総合研究所 佐藤氏
社会実装の強化という本コンソーシアムの趣旨を改めて説明、新たにフィジカル側との連 携についても言及。昨年度の事業報告および今年度の事業計画を紹介。内部の情報流通を行 い、外部に対しては実証フィールドの開拓を含めて社会実装につなげたいという指針や、標 準化活動によりデファクトを作り世に広める方針も提示。コンソーシアム会員企業への一 層の協力を呼び掛けた。

◆「サービス VR システム紹介」東京大学 廣瀬氏
SIP 事業における東京拠点の活動について、認知的インタラクションの中で、最終的にユー ザーの訓練に使う VR トレーナーを開発していると紹介。技術的な開発項目として、顧客を シミュレートする、顧客らしい動きの研究や、学ぶ側が相手とのインタラクションで行き詰 まる時にコーチがフィードバックすることは高度であり情動の研究等が必要と説明。そう した研究とコンソーシアム運営、ガイドライン検討が東京拠点の役割との認識を示した。ま た顧客アバターを完全に自律的に動かす際には AI が必要であるとし、AI チームへの協力 を依頼。また VR での訓練の意義として融合身体により学習効果が高まる事例も紹介。最後 に、今後も続くと想定されるコロナ時代に対応し、開発したシステムを Zoom 等のオンライ ンシステムに載せ、社会に貢献したいという開発方針を提示した。

◆「サービス品質を評価する AI 技術の実現を目指して」産業技術総合研究所 緒方氏
まず緒方氏の研究状況について紹介。専門は音声認識で、音声認識理解、音響、振動の解析 等を AI により実現する研究に従事。産総研 AI センター 知的メディア処理チームのチーム 長としてインフラメンテナンス等に携わる。同センターの「人間と共同して問題解決する AI の開発を進める」という指針も紹介。SIP サイバーではマルチモーダル深層学習として接客 を支援する AI の開発を進行中で、接客の支援に対しては時系列の音声データによる顧客の 感情の推定や接客スタッフのフレーズ研究、スタッフの話し方判定や、表情の変化等のメデ ィア処理を行い、統合 AI としてスタッフスキルの総合スコアの算出を目指すと言及。さら に「こういう状態の時にはこう行動すべき」という高度な指示も開発の範疇としているが、 まずはマルチモーダル時系列データとして音声、動画の解析に注力し、そうした成果を今後 報告予定とした。システムを作って終わることはなく現場に対応することが重要であり、エ ンドユーザー側が AI を使いこなす仕組みが必要とし、「AIを理解し、AIを育てる」ことを基本に、良い技術を提供しつつも相互教育を目指した開発への意向を示した。

◆「業務訓練・支援システム開発のためのガイドライン案について」氏家氏
業務訓練支援システムのガイドライン案について説明。認知的インタラクション、業務訓練支援システムを開発にはAI解析、前段としてのデータ計測、航空系の接客業務により計測するチームや飲食業の企業との連携で現場計測するチームがあり、ガイドライン検討においてはそうした関係者を交えて進めていると説明。用語統一も重視し、スキルとは何か、適切な訓練・支援方法も議論しながらスキルの概念を整理し、計測成果でフィードバックを実施していると紹介。スキルには業種での差異もあり、比較を行うことでスキル全体や接客について、何を考えるべきかが明確になって来るとした上で、単なるガイドラインにとどまらない様々な議論、検討を進めている状況を報告した。